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​交換とネットワーク

A Networking of Give and Take

本制作は、東京郊外の超高齢化ニュータウンを対象に自ら移住・生活し、課題解決のための連関を辿る「小さな建築」の提案を連鎖的に行う運動である。実際に生活を始め見えてきたのは、持ち家であることを活かした丁寧な庭仕事や、住民同士がわかる距離感だからこそ成立する物々交換、育てた野菜や趣味のクラフトを販売する活動や「住み開き」など、数多くの住民による主体的に活動する様子である。そこで私も一人の住民として実践的な介入を試みた。起点となったプロジェクト「運ぶ受付」では、住宅の庭先や店の軒先で移動式の建築を用いた、住民活動を出張し販売・交換を行う活動である。公共施設で起こる運動を町に拡げ、余剰空間を活動の場に変えた。すると、それを見て活動をしたいと意欲づく住民や、実際に庭を開いて活動する住民が現れる、地域の店舗から新たな家具の制作を依頼されるなど連鎖が生じた。そうした活動の連鎖は、若者が自発的に地域へ介入することから始まる、住宅地の面的な再生の萌芽となる。現地に移住することで見えてくるニュータウンのヒト・コト・モノの生態系を手がかりに、小さな連関を連鎖する制作によって辿る。そうした地域への介入は、今後、空き家や余剰空間が増える住宅地の面的な再生に繋がる一つの手段になると考えている。

デザインリサーチ

2020年~

埼玉県
関連:修士制作

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